東浩紀『郵便的不安たち#』(朝日文庫 ISBN:4022613785)

こういう読み方をすると、東氏の嫌う、いかにも「日本的な」読みなのだろうけれど、本書のタイトルにもなっている「郵便的不安たち」という講演は、やはり恥ずかしい。最初の書物を発表したあとの高揚感に貫かれているのはよいとして、ようするに自分は浅田彰に比べて生まれた時代が悪かった(もっと注目されたい)のだし、平野啓一郎より断然頭がよい(それは確かにそうだろうけれど)のになんで自分の本が売れないのか、といっているだけのような気がする。いま読み返したら、ご本人も恥ずかしいんじゃないかな。