2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

島田雅彦『自由死刑』(集英社文庫)

自由死刑 (集英社文庫)作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2003/01/17メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 54回この商品を含むブログ (29件) を見る @小説に与えられた重要な役割の一つに、「思考実験」があると思うのだが、 1999年発表のこの作…

円地文子『朱を奪うもの』(新潮文庫)

朱(あけ)を奪うもの (新潮文庫 え 2-3)作者: 円地文子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1963/11メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る @「宗像滋子」ものの第1作(初出1955-1956)。そういえばこの時期の作家の作品は、 ある人物を…

あのボールはサッカーの質を変えた。

チームガイスト - Wikipedia @国家代表単位のサッカー/フットボールはあまり見ないのだけれど、それでもこれだけアホのように報道していれば 前半だけ、後半だけ、と試合を見ることはあって、そこで思ったこと。 このボール、サッカーを変えてしまっている…

島田雅彦『亡命旅行者は叫び呟く』(福武文庫)

亡命旅行者は叫び呟く (福武文庫)作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 福武書店発売日: 1986/01メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見る @現実逃避の読書、その2。 憂国の人、島田雅彦の2番目の著作が、地下鉄駅内の古書店で売られて…

高橋和巳『悲の器』(新潮文庫)

悲の器 (新潮文庫 (た-13-1))作者: 高橋和巳出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1967/08メディア: 文庫 クリック: 15回この商品を含むブログ (11件) を見る@書かなければいけない原稿を抱えつつ、現実逃避の一冊。 いま読み返すと、「なんでこの人の作品が人気…

舞城王太郎『世界は密室でできている THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS.』(講談社文庫)

世界は密室でできている。 (講談社文庫)作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/04/15メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 39回この商品を含むブログ (179件) を見る @舞城王太郎がどのように評価され、批評されているのか、業界の事情はわから…

「教育実習」が出来なくなる。

母校での教育実習、原則廃止を・中教審専門家 教員免許の取得を目指す学生が自分の出身校で教育実習を受ける「母校実習」は、評価が甘くなるなど問題があるとして、原則廃止すべきだとする検討結果を中教審の専門家グループが15日までにまとめた。今夏にも出…

深沢七郎『楢山節考』(新潮文庫)

楢山節考 (新潮文庫)作者: 深沢七郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1964/08/03メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 83回この商品を含むブログ (109件) を見る @必要あって、「楢山節考」(『中央公論』1956.11)の何度目かの読み返し。 @考えれば考えるほど…

中村政則『近代日本地主制研究 ――資本主義と地主制――』(東大出版会)

近代日本地主制史研究―資本主義と地主制作者: 中村政則出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 1998/10メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 著者は、戦前日本経済史を読む上で、(門外漢の)僕が最も信頼している書き手の一人…

梶井基次郎「のんきな患者」「ある崖上の感情」(『梶井基次郎全集』ちくま文庫版)

梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)作者: 梶井基次郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1986/08/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 44回この商品を含むブログ (54件) を見る「のんきな患者」は面白い。不治の病と意識されてしまった結核の周囲に、 さまざ…

檀一雄 『小説 太宰治』(近代生活社、1955)

神保町小宮山書店にて古本で購入。 太宰のこと、保田のこと、山岸外史のことと、小ネタは満載だけれど、 かんじんのことが書いていない。 この本も、太宰の「かんじんの」時代ではなく、太宰の20代が中心に描かれる。 檀一雄は、満州でいったい何をしていた…