李相哲『満洲における日本人新聞経営の歴史』(凱風社 ISBN:4773624078)

中国・大連図書館、遼寧省図書館などに保管されていた資料を発掘・駆使した労作。第1部は満洲における日本人経営新聞の変遷と概説、第2部では満鉄機関紙(『満洲日報』、いろいろと紙名が変わっているのだが)の社説の内容分析がされている。とくに、第2部では、「9・18事変」が、決して突発的な事態ではなく、あらかじめ、すでに欲望され、予期され、言説上での現実となっていたことが詳細にたどられている。