ナンシー関『何がどうして』『何が何だか』(角川文庫)

何がどうして (角川文庫)
何だかんだと (角川文庫)
何が何だか (角川文庫)

いまごろナンシーがマイブームというのも気恥ずかしいのだが。思わず連続で読んでしまった。買ってきてさえしまった。エッセイとしては、すでに10年近く前の素材を扱っているわけで、時事性はすでに薄れている。それでも読めるのは、きちんと、構造を押さえた批評になっているから。対象との卓抜な距離感(つかず、離れず、でもきちんと密着、そして、その密着している自分を突き放す)は勉強になるな。やっぱり。


それにしても気になったこと。どうしてスノーボードハーフパイプに出ている選手たちは、揃いも揃って「腰パン」なのか。教師としては、「ちゃんとズボンを上げろ!」と言いたくてたまらなくなる。ことによったら、コーチの横で無理に引き上げたいという気にさえなる。なんで「腰パン」なのか。そしてなぜ「腰パン」はずれないのか。また、「腰パン」でできる競技がオリンピックにあってよいのか。……と書いてきて、いかに自分が「スポーツ」に対する固定観念に囚われているかに気づくが、やっぱり気持ち悪いよ。